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危険な石積み擁壁を強固に補強する「モルダム工法」

石積接着補強工法「モルダム工法」は、既存の石積み擁壁を取り壊すことなく、石積み石垣の内部に、優れた接着性を有する専用充填剤を注入することで補修・補強ができる工法で、九州防災メンテナンス株式会社の特許工法です。
「モルダム工法」で石積み内部から強固に接着して固めることによって、石積み全体が一 枚岩のように一体化されます。

モルダム工法施工例
「モルダム工法」は、風致地区の景観を損なうことなく、培われてきた自然や歴史、美し い街並みを守ります。

モルダム工法施工例
民間工事だけでなく、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)登録技術で、公共工事にもご使用いただけます。



空石積み擁壁
空石積み造擁壁は、背面土の風化防止と侵食防止を目的とし、主働土圧が小さい斜面に、擁壁の重量でもたれかけるように固定されているだけで、練積み擁壁と異なり十分に一体化されておらず強度が無く、近年多発する地震や豪雨により、崩壊被害が各地で発生していますので、予防保全としての安全対策が重要になります。

石積み擁壁の断面構造
積み石
空石積みで自然石、割石、玉石、間知石等が用いられていますが、現代の練積みはコンクリート製の間知ブロックを用いてコンクリートで一体化されます。
裏込
・石垣や擁壁の背面に詰める小石(主に直径10〜30cm程度)のことで、石と土の間の隙間を埋め、石積みの安定性を増します。
・排水を良くして内部の水圧を逃がし、構造物の崩壊を防ぐ役割が有ります。
・栗石(ぐりいし)、割栗石、砕石などが裏込材として使用されます。
飼石
・石同士の隙間や、石の裏側に挟み込み、石を固定・安定させる ために用いられる小石や石片です。
根石
・一番下段に据えられる基礎となる石で、傾きや沈下を防いで安定 させる重要な部材 です。
劣化や損傷が蓄積した空石積み擁壁の崩壊の危険性
一般住宅などの土留め壁として使用されている空石積みでは、
積石が小さく胴長も短いものが殆どで、裏込石が全く入っていないものも多くあり、飼石もあまり入っていない石積みも珍しくなく、地震や主働土圧の影響で、ずれや歪が生じやすく、近年の繰り返し発生する地震や大雨により、空石積み擁壁に劣化や損傷が蓄積し、倒壊に至る事例が増加してきています
【令和2年(2020年)7月豪雨被害】
京都府京都市 (2020.12撮影)
空石積み擁壁の崩壊事例
道路際の擁壁で崩壊が発生しました。




崩壊面は地山が露出し、地面には積み石と共に土砂が多量に流出しています。
幸い第三者被害は発生しませんでしたが、建物に傾きが生じました。


空石積み擁壁は、石の隙間が排水孔となり、水分を効率的に逃がすことが出来る特徴がありますが、びっしりと雑草が繁殖して排水機能が低下していました。
危険な擁壁で思わぬ被害や深刻な事故を招かないためには、日頃のチェックが大切です。
日常の生活で、住家に劣化・損傷や漏水が有ると早めに補修する必要性を感じますが、擁壁の変状は見逃され放置され易いのが実情です。
しかし、地震や豪雨により突然石積み擁壁が損壊し、思わぬ大きな被害や深刻な事故が発生する危険性が有りますので、災害に対する事前の対策が重要です。
擁壁の倒壊や崩壊が発生すると、建物に被害が生じるだけでなく、隣地や第三者にも被害を及ぼす危険性が有ります。
第三者に損害を与えた場合、擁壁の管理責任は基本的にその所有者にあり、所有者は損害賠償責任を負うことになります。
石積み擁壁でご不安のある方は、擁壁の危険度判定チェックシートやマニュアルが公開されていますので、ぜひ活用して点検されることをお勧めします。
我が家の擁壁チェックシート (案)(出典:国土交通省ウエブページ)
国土交通省の資料は「案」となっています。地方自治体のホームページでは、国土交通省HPへリンクされている場合や、地域の特性を加味したもので公開されている場合も有ります。
更に、判定マニュアルで詳細な内容のものに、宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)(出典:国土交通省ウエブページ)が有ります。
以下に、空石積み擁壁の変状例をご案内します。


「変状」とは、劣化(廃水機能の低下等)や損傷(ひび割れ・変形・剥落・沈下等)が生じ、通常の状態から変化した状態を示します。
十分に一体化されておらず強度が無い「空石積み擁壁」が変状を生じることで「倒壊リスク」が高まります。
空石積み擁壁の崩壊の危険性を、部分的な張り出しや目地の開口等の変状等から、ある程度事前に予知することで倒壊防止の対策が可能です。

① 目地ずれ
【原因】経年による老朽化
【現象】強度低下
②抜け石
【原因】背面の砂層等への地下水の侵入による膨張
【現象】積石の押し出し
③ふくらみ(はらみ)
【原因】背面土への雨水や地下水の侵入による土圧の増加
【現象】斜面崩壊
擁壁のふくらみ(はらみ)が確認できる場合は、崩壊リスクの高い危険な状態のため、取り壊し等の対策を早期に講じる必要があります.

主働土圧は、擁壁などの背部にある盛り土が、擁壁を押し倒すように前にかける圧力のことをいいます。
石積み擁壁は「重力式擁壁」の一種で、自重により土圧に抵抗する構造です。
主働土圧の上昇により、自重で土を押さえきれず石積みが押しだされ、はらみや折損が生じている場合は崩壊リスクが高い危険な状態で早期の対策が必要です。
④ひび割れ(クラック)
石積みの目地にモルタルを詰められている擁壁では、目地モルタルにひび割れが生じます
【原因】地震力、地盤沈下、背面土圧、水圧、荷重等
【現象】軽微な状態から、斜面崩壊の危険性があるひび割れが有ります。
縦方向の「縦ひび割れ」

垂直方向のひび割れは比較的に危険性は低いと見られますが、幅広のひび割れや擁壁天端から下端までの全高のひび割れは、構造的な影響を受けている「構造クラック」の可能性が有りますので注意が必要です。
擁壁下の地盤が不均一に沈下することで、構造的に大きな負荷がかかり、垂直方向に裂け目が入ります。
水平移動(滑動)は、軟弱地盤で擁壁の支持力が不足し、土圧や水圧で擁壁全体が前面へ押し出される変状で、隙間から湧水や土砂が流出していたり、水抜きハパイプから常に水がしみ出してる場合は、背面土が雨水で飽和している倒壊リスクのある状態です。
横方向の「水平ひび割れ」

擁壁にはらみが生じていると、崩壊の危険性をイメージし易いですが、ひび割れは見た目で危険性を意識し難いかと思います。
しかし、ひび割れも擁壁背面の土圧や水圧が原因の場合が多く、傷んだ擁壁が地震や豪雨により崩壊する危険性が高くなります。
ひび割れ全てが危険ということでは有りませんが、水平方向のひび割れは擁壁背面の主慟土圧が大きくなり、擁壁を前方に押し出そうとする力が加わることが原因です。

石材間の接合部が弱いため、大きくはらみ出すと地盤ごと石積みが崩壊します。
曲げにより、石材間の噛み合わせ目地部分に引張力が生じます。

空石積みは、石材間の噛み合わせや目地部モルタル(が有る場合)の接着力だけで、石同士が強固に結合しているわけではありませんので、壁面に曲げが作用した場合に石材間の接合部分が引張に抵抗できないことが特徴です。
水平方向のひび割れは、擁壁背面に掛かる主働土圧が上昇し、擁壁が押しだされていることが原因で、倒壊リスクが高い状態です。

はらみ(ふくれ)により、曲げの作用で「水平ひび割れ」が生じますが、擁壁の隅付近は土圧・不同沈下・地震力が集中し、「せん断ひび割れ」や「せん断破壊」が発生しやすい箇所です。
斜め方向の「せん断ひび割れ」
石積みの目地に沿って斜め方向に走るひび割れで、放置すると擁壁のはらみ出しや崩壊に至る危険性が有ります。

「せん断力」は、部材の断面に沿って互いに反対方向へ滑らせるように作用する、部材を「ずらす」力のことで、「せん断力」により対角線方向に「圧縮」と「引張」の応力が生じます。
面の両側で引張られると、引っ張られる面の中央部分が引き裂かれる(赤線)イメージです。



【雑草・苔・樹木】
雑草や樹木の根で目地が押し広げられ、苔の繁茂により水分が籠り凍結融解が繰り返されることで不安定になって崩壊リスクが高まります。




【ひび割れ・目地ずれ】
ひび割れは擁壁背面の土圧や水圧が原因の場合が多く、傷んだ擁壁が地震や豪雨により崩壊リスクが高くなります。
空石積み擁壁の目地にモルタルが詰められている場合、目地モルタルが割れたり、石から剥がれてひび割れが生じます。
幅の広い口開き状態のひび割れ









⑨⑩のひび割れは、擁壁に水平ひび割れとせん断ひび割れが下記様に発生していました。

ひび割れで、擁壁が土圧の影響をどのように受けているかを知ることが出来ます。
【迫り出し・抜け石】
石が独立して動く空積みの場合、裏込石(栗石)の沈下や、目地モルタルの劣化で石が保持できなくなり、内部の空隙が拡大して落下に至ります。




【はらみ(ふくらみ)】
石積み擁壁の「はらみ(ふくらみ)」は、背面土圧や水圧が高い状態で崩壊する前兆の危険な変状です。



【排水不良】
石積み擁壁及び擁壁上部の「排水不良」による背面土圧や水圧の増加により、擁壁の崩壊や倒壊を引き起こすリスクが高まります。
擁壁天端のモルタルが剥がれて口が開いていたり、擁壁上部に陥没穴が有ると擁壁裏面に雨水が流入することになります




【洗堀】
護岸の石積み擁壁の基礎や背面の土砂が 、流水や波浪で流出してしまう現象で、擁壁の支持力が低下し崩壊する危険性が高い変状です。




高度経済成長期に住宅地確保のため、山腹斜面の切土・盛土工法による宅地造成地が郊外の丘陵地や台地、山麓へと広がりました。

(イメージ写真です)
その宅地周囲のがけ地や傾斜地は、自然の地形や宅地造成などで造られ、がけ崩れによる土砂の流出から人命や財産を守るため、条例によって建物の位置や構造等が制限されます。
がけ(崖)
がけの定義として、崖の上や下に建物を建築するときの、がけ条例が有ります(各特定行政庁ごとでの条例です)
がけ条例の崖の定義
地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外の土地で高さ2メートル(もしくは3メートルの地域も有ります)を超えるもの。

安息角は、土砂などの積みあがった堆積物が崩れない安定した斜面の角度のことで、土木建築分野では一般的に30度を基準とされています。
がけの部分が崩壊することを防ぐため、擁壁の設置を行うことで安全を確保します。
擁壁とは
高低差のある土地で、側面の土が崩れるのを防ぐために設置される壁状の構造物です。

法面(のりめん)は、切土・盛土で作られた人工的な斜面のことす。
崖(がけ)は「勾配30度超・高さ2m超」の崩壊の危険性が斜面のことでがけ条例が適用されます。
擁壁は、台地や山麓以外に、河川や水路、高さが2m以下の個所を含め、多くの場所に有ります。
そして現在、地震や豪雨により老朽化した宅地擁壁の崩壊・倒壊、法面の崩壊が発生し、宅地や建物に被害を与えるとともに隣地や第三者へ影響を及ぼす事例が増えています。
擁壁の種類
擁壁の設置基準や技術的要求事項については主に以下の法律等によって規定されています。
・宅地造成等規制法
・都市計画法
・建築基準法(建築基準関係規定)
一般的な擁壁
宅地造成等規制法施行令第6条で「鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとすること」と定められています。
①間知石・間知ブロック練積み擁壁
②重力式コンクリート擁壁
③鉄筋コンクリート擁壁・・・※プレキャストを含む
構造上危険性の有る擁壁
④空石積み擁壁・・・※野面石積み・玉石積み等を含む
・コンクリートブロック積み擁壁(土留めとしては不適切)・・・CB塀の下部を土留めとして使用しているもの
・ガンタ積み擁壁(解体したコンクリート塊などを再利用したもの)・・・※空石積み擁壁として分類
・大谷石積み造擁壁・・・※「④空石積み擁壁」に分類することを基本とするが、大臣認定を受けた構造の場合もあるため、専門家に相談することが望ましい。
形状で危険性の有る擁壁
⑤増し積み擁壁
⑥2段擁壁
⑦張出し床版付擁壁
※は、国土交通省 宅地擁壁の健全度判定・予防保全対策マニュアルより引用
擁壁の種類及び形状

(出典)国土交通省 宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)より引用
建築基準法に不適格な擁壁で被害が多く、適格擁壁では被害は少なくなりますが、大地震で宅地地盤が変動(沈下等の変形)し適格擁壁も被災していますので、擁壁だけでなく地盤の強度も重要です。

危険性の高い既存不適格擁壁とは
現在の建築基準法に適合していない擁壁は不適格(もしくは不適合)擁壁と呼ばれ、昔の基準法で建築された「既存不適格」や「確認申請」が行われていないもの、「検査済証」など証明する書類が無い擁壁を言います。
熊本地震での擁壁の被害
宅地被害の傾向と特徴(令和元年6月6日)の資料で、2016年4月に発生した熊本地震では、これらの法令などに適合しない不適合擁壁が適合擁壁と比べ、高い損傷度であったことが指摘されています。
高さ2m未満の擁壁は、
・・・法的な規制がありません。


空石積み擁壁は、
・・・石などを背面の土にもたれかけるように固定するだけで、練積み擁壁と異なり、十分に一体化されておらず強度は有りません。

空石積み擁壁と練積み擁壁の違い
石積み造擁壁で空石積み擁壁は、背面土の風化防止と侵食防止を目的とし、石やブロックを積み重ね、壁面の隙間を飼石やモルタルなどで埋める程度のもので、練積み擁壁と異なり十分に一体化されていません。
現行基準の石積み造の擁壁は、間知石・間知ブロックの練積み擁壁になります。
コンクリートブロックや間知石の背面をコンクリートやモルタルで一体化したものです。



地震や豪雨で斜面崩壊が突然襲ってきます
斜面崩壊とは,斜面表層の土砂や岩石が地中のある面を境にして滑り落ちる現象で、土砂崩れや崖崩れなどと呼ばれます。

どの擁壁も、目的は地盤の崩壊を防止するもので、がけ上宅地内から土中に浸透する雨水を、擁壁面に設けられた排水口から排出することで擁壁に水圧を掛けないようにすることが重要です。
法整備以前の古い擁壁で、強度不足や排水不良により崩壊か発生した事例が報道され、地震や豪雨に対しての危険性が広く社会に認識されてきています。

令和6年能登半島地震で、新潟県糸魚川の京ケ峰地区では、震度5強の揺れで宅地擁壁が崩壊する被害を受けました。
空石積み擁壁は、中地震(震度5強程)で崩壊する危険性が有ります。
下記のグラフは、気象庁ホームページの「震度データベース検索」を使って、1950年から現在までの震度5強以上の地震回数をグラフ化したしたものです。

1950年~1980年の間は大きな地震の少ない穏やかな時期でしたが、1990年代から震度5強以上の地震の発生回数が急上昇していることがよく分かります。
近畿圏の想定震度
平成19年版内閣府防災白書に以下の予防対策用震度分布の図が有ります。
近畿圏でのM7.0以上の活断層、M6.9の直下の地震、東南海・南海地震及び東海地震の震度分布を重ね合わせ、各地点の最大震度をとったものです。
予防対策用震度分布
(出展:内閣府防災情報のページ 平成19年版内閣府防災白書)
ひとたび地震が発生すると強い地震の揺れが、多くの人々が暮らす広範囲の生活圏のどこであっても起こりうることを示しています。
増加する豪雨災害による被害
台風・爆弾低気圧・梅雨前線・線状降水帯等による広範囲で数日にわたる大雨や、局地的集中豪雨による豪雨被害が各地で発生しています。

(イメージ写真です)
土砂災害の発生件数の推移

(出展:内閣府防災情報のページ 令和4年版内閣府防災白書)
土砂災害の発生件数で、がけ崩れの件数が多いことが分かります。
斜面崩壊は斜面が崩れる現象で、地震や集中豪雨で急斜面によく発生します。
安息角を越える崩壊の危性が有る崖の安全性を確保するために、擁壁が設置されますが、特に擁壁としての強度が低い「空石積み擁壁」で崩壊が発生しています。

空石積み擁壁の崩壊


地上の物体には全て、地球の引力(重力加速度)により、地球の中心に向かう力「重力(重さ)=質量×重力加速度」が生じます。
斜面では、その重力が、斜面に対して垂直に押す力(垂直応力)と、斜面に沿った下方向に引っ張る力に分力して作用します。

斜面で滑り落ちず静止している状態の時、斜面に沿った下向きの分力と、その力に抵抗する摩擦が吊り合って静止しています。
がけでは、傾斜の下方向に引っ張る「せん断力」と、せん断力に抵抗する「せん断抵抗力」が吊り合って静止しています。

がけ崩れは、「せん断力」と「せん断抵抗力」の釣合いが失われた場合に生じます。

地盤のある面(すべり面)で、傾斜の下方向に引っ張る力「せん断力」が、抵抗する力「せん断抵抗力」よりも大きくなると、すべり面より上方にある土塊が一気に滑り落ちます。
せん断力<せん断抵抗力(垂直応力×摩擦係数+粘着力)では、がけ崩れは起こりません。
せん断力>せん断抵抗力(垂直応力×摩擦係数+粘着力)で、がけ崩れが発生します。
安息角を越えるがけには、がけ崩れが発生するプロセスを内在していると言えますが、擁壁としての強度が無い空石積み擁壁が、がけ崩れを起こす原因として集中豪雨や地震が有ります。
①地下水や降雨などによる斜面内の浸透水が原因で生じる場合
【せん断力の増加】
雨水の浸透により、見掛け荷重が増加することで、せん断力が増加します。
【せん断抵抗力の低下】
雨水の浸透により、土の粘着力と摩擦力が低下することで、すべりに抵抗する力(せん断抵抗力)の減少が、斜面崩壊発生の最大の原因です。
土粒子同士の結合力を低下させる間隙水圧が大きくなると、地盤が軟弱化し斜面崩壊の原因となります.

浸透した雨水による表土層の飽和により、せん断力が増加し、せん断抵抗力が減少することで崩壊の危険性が高い危険な状態になります。

「せん断力」が「せん断抵抗力」を上回るとがけ崩れが発生します。


②地震力を受けて生じる場合
地震で生じる加速度により、土塊の見掛け重量が増大し、崩壊する原因になります。
地震時は、土塊に「水平及び鉛直方向の加速度」が加わります。
ごく短時間の激しい繰り返しの揺れの間に、土塊重量を増加したり斜面傾斜を大きくすることで、せん断力の増加と垂直応力の低下が発生し、崩壊しやすくなっていきます。

垂直応力の減少とせん断力の増加のイメージ
縦揺れの鉛直方向の加速度では、
下向きの加速度で、自重が増加し、鉛直応力が増加し、せん断力が増大します。
上向きの加速度で、自重が減少し、鉛直応力が減少し、せん断力が減少します。
地震時は、ごく短時間の繰り返しの揺れで「垂直応力の減少」と「せん断力の増大」が繰り返し発生し、斜面の安定性が急激に低下します。
空石積み擁壁は、震度5強の中地震でも崩壊する危険性が有りますので、それ以上の大地震では更に被害が拡大します。
③切取り、盛土などによる場合
がけの崩壊は、盛土部分や切土との境界で発生します。
・盛土は締固め不足や排水の不備で強度が低下し、集中豪雨や地震で崩壊する危険性が高まります。
・切り盛り境界は水が籠りやすく、すべりを発生し易くなります。

雨水や地下水の影響
雨水で飽和した土がすべりを発生します。
山岳地や丘陵地の自然斜面でも、排水不良で擁壁裏面に雨水等が溜まり、降雨によって地山が雨水で飽和し、有効圧力やすべり面における摩擦力、粘着力が減少して地滑りや崖崩れに至る場合が有ります。

空石積み擁壁の倒壊状況
突然襲ってくるがけ崩れ(斜面崩壊)には、
事前の適切な安全性の確保が効果的な対策です。
変状の状況に応じて「補修」「補強」「再構築」を行い、事前に安全性を確保しておくことが大切です。
部分的な張り出しや目地の開口等の変状等から、ある程度事前に予知と防止が可能です。


既存建物が有る場合に既存擁壁を撤去して擁壁を新築することは困難で大きな費用が掛かります。
その為、既存の空石積み擁壁を注入工法で強固に一体化できる「モルダム工法」が補強工法として効果的です。

モルダム工法施工例
「モルダム工法」による補強の費用は、崩壊した後に擁壁を再構築する場合に掛かる費用に対し1/3~1/5程で済みます。(当社実績)

更に、傾斜や沈下を伴い損傷している住居を補修する場合は更に大きい費用が必要になります。
隣戸や第三者へ被害が及ぶ場合も有りますので、危険が予見される擁壁は、事前に安全対策を講じておくことが大切です。
豪雨被害による空石積み擁壁の崩壊が発生したご物件で、空石積み擁壁崩壊部の復旧及び、周囲擁壁のモルダム工法による補強工事の施工事例で、当時をお施主様ご夫妻に振り返って頂きましたインタビュー動画をご案内いたします。
「構造物の医者」として、蓄積された補修・補強の保全技術を駆使して、擁壁の復旧及び補強と、建物の沈下修正工事の設計・施工を行い、お客様のご不安を解消し、安全と安心 をご提供することが出来ました。


モルダム工法は、既存の石積みの内部に優れた接着性を有する石積み専用充填剤を注入する事によって補修・補強する工法です。

【モルダム工法の模式図】

【モルダム工法の作業工程】


工法用の接着剤(モルダムエース)を、自然石の石積みや間知ブロックの内部に注入し強固に接着します。
モルダムエースは、プレーンモルタルに比べて以下のような優れた特徴があります。
1)防水性に優れている。
2)接着面での剥離がない。
3)耐摩耗性、耐衝撃性に優れている。
4)物理的特性に優れている。
5)防錆性、耐薬品性に優れている。
6)作業安全性(取扱を含む)に優れている。
排水機能を確保した状態で、内部から補強することが出来るため安価で施工を行うことが可能になりました。




また、境界際に設置された石積みで、狭小地での作業でも可能であるため、個人住宅をはじめ、道路維持工事、急傾斜地崩壊対策事業、河川護岸工事等、様々な石積みの補強工事に適用できる工法です。


モルダムエース(Sタイプ)は、水中打設に対応した専用接着剤で、水中でもセメント成分が分離せず強固な接着と強度を確保します。




【風致地区の施工例】








【住宅地・公共施設の施工例】








【河川・水路の施工例】








【道路・鉄道路線の施工例】






【モルダム工法施工動画】
石積み接着補強工法「石山テクノ建設オリジナル」顔料入りモルタル充填および刷毛引き仕上げ 施工要領説明動画
石山テクノ建設株式会社は、石積み災害防止工法研究会京都府支部の支部長企業として、「モルダム工法」の発展と成長を担い、地域社会の安全と安心を創造します。

近年、豪雨や地震による災害が各地で発生しています。
石積み擁壁の崩壊だけでなく、高度成長期以降に整備された多くの擁壁でも、度重なる地震や降雨により損傷や劣化が進み、今後自然災害の影響を受けやすくなっていきます。
軟弱な地盤で不同沈下が生じたり、地震や豪雨災害で擁壁の傾きや崩壊により、住宅に被害が及ぶことも有ります。
建物を支える「擁壁」「地盤」「基礎」の点検・補修・補強が安全安心な住まいに不可欠です。
京都府・大阪府・滋賀県・奈良県で、石積その他各種擁壁、基礎・地盤、木造・コンクリート構造物の調査・診断・補修・補強に関するご相談は、「構造物の医者」の石山テクノ建設に、お気軽にご相談ください。

電話でのお問合せ: 075-682-4377(代)
(平日 9:00~17:00)

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※モルダム工法のお問い合わせで、関西圏以外の遠隔地の方からのお問い合わせが増えておりますが、遠隔地ではご対応が困難なため、九州防災メンテナンス株式会社 へ対応が可能な石積災害防止工法研究会の会員企業をご確認下さい。
もしくは石積み災害防止工法研究会のページに会員企業の名簿PDFがございますので、最寄りの会員企業をご確認の上ご案内くださいます様宜しくお願い致します。
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ご参考ページ
「迫り来る震度7」その6 南海トラフ地震前に関西で直下型大地震の可能性は?
「迫り来る震度7」その13 地震や大雨で擁壁が壊れる原因と対策①その擁壁は大丈夫ですか?
「迫りくる震度7」 その14 擁壁が壊れる原因と対策②変状と対策工事